旅の途中(in the middle of journey)
近代において、交通と通信の発達により旅行の商品化が進み、お金さえ出せば何処にでもすぐに行けてしまう世の中になった。忙しく仕事や家事をする合間に広告やインターネットの情報から計画を立て、飛行機のチケットとホテルを予約し、予定していた場所にGPSで迷いもせず現地に行き、インターネットや広告通りの景色をみて慌ただしく帰ってくる。忙しい現代人ならさもありなん。だが、出発点と目的地を点と点で結ぶようなそれは正しく旅だと言えるのだろうか。旅の途中にある商品化されない光景、名もわからない山や景色、そこで過ごす時間は確かに存在する。
Every 10s towards Mt. Fuji
皆がそれぞれ生まれ育った場所に心に残っている山があるように、富士山は日本を象徴するシンボルであり、その壮大さは人々を強く惹きつける。この作品は富士山に向かう車に固定されたカメラが10秒に一回シャッターを切り、それをスライドで繋げたインスタレーションです。